権利章典(けんりしょうてん、Bill of Rights)とは、アメリカ合衆国において、憲法中の人権保障規定のことをいう。州によっては統治機構とは区別して規定されている。アメリカ合衆国憲法では、最初の修正条項である修正第1条(Amendment I)から修正第10条(Amendment X)がこれにあたる。名前は1689年に制定された英国の「権利章典(Bill of Rights)」に由来する。
合衆国憲法修正第1条から修正第10条は、市民の基本的人権に関する規定であり、憲法制定直後の1789年第1回合衆国議会で提案され、1791年12月実施されたものである。
内容
修正第1条
(信教・言論・出版・集会の自由、請願権)
修正第2条
(人民の武装権)
- 米国憲法修正条項第2条(大礒正美による意訳) - 連邦政府に対する潜在的抵抗権(自由権)を確保する必要から、正当に組織された義勇軍は禁止されてはならず、(したがって)義勇兵となるべき邦(州)民が、自己の武器を保有し携帯する権利もまた、連邦政府によって侵害されてはならない。
修正第3条
(軍隊の舎営に対する制限)
修正第4条
(令状主義)
- 本条は直接には捜索・押収(Search and Seizure)についての規定であるが、ここにいう押収には、「人の押収」すなわち逮捕(Arrest)が含まれるとするのが米国における判例・通説である。
- 本条については、非常に多数の判例がある。アメリカ合衆国における刑事事件に関する捜査の手続きは、大陸法系のような詳細な刑事訴訟法が存在しないため、専ら本条の解釈によって規律されており、結果としてその解釈が多数の刑事事件で争われてきたためである。
修正第5条
(大陪審の保障、二重の処罰の禁止、デュー・プロセス・オブ・ロー、財産権の保障)
修正第6条
(陪審、迅速な公開の裁判その他刑事上の人権保障)
修正第7条
(民事事件における陪審審理の保障)
修正第8条
(残虐で異常な刑罰の禁止等)
修正第9条
(人民の権利に関する一般条項)
修正第10条
(州または人民に留保された権限)
脚注
出典
関連項目
- 日本国憲法第3章
- ミランダ警告
- 明白かつ現在の危険
- イングランドとニューイングランドにおける政教分離の歴史
- 患者の権利章典
外部リンク
- アメリカ合衆国憲法(英文) - コーネル大学・Legal Information Instituteのサイト
- アメリカ合衆国憲法(和訳) - 在日本アメリカ合衆国大使館のサイト




