小桜(こざくら)は、日本海軍の砲艇。正式には雑役船中の交通船に分類された。同型艇「白梅」。
概要
1932年(昭和7年)に誕生した満州国は海軍を設立し、松花江と黒龍江の警備用に播磨造船所に4隻の砲艇を注文、播磨造船所はハルピンにドックを持った工場を開設して、日本で建造した船を現地で組み立てた。一方日本海軍は1933年(昭和8年)になり駐満海軍部を新京に、臨時海軍防備隊をハルピンに発足させ、満州国海軍の指導と同方面の警備を行った。そのため日本海軍も播磨造船所に砲艇を2隻注文、建造された。播磨造船所の建造番号は217と218で、両船とも1935年(昭和10年)8月25日にハルピンで竣工した。
船種、船名、所属は同年11月26日に船種:交通船(三十瓲)、船名:「小桜」「白梅」、所属:呉海軍港務部(臨時附属)、共用先:臨時海軍防備隊と定められた。
竣工後の2隻は同方面の警備に従事していたようである。1938年(昭和13年)になり日本海軍は同方面から撤退し、臨時海軍防備隊も廃止となった。その後の2隻の動静は不明であるが、「白梅」は大戦中に廃船、「小桜」は終戦時にまだ在籍していたと言われる。
脚注
関連項目
- 大日本帝国海軍艦艇一覧
参考文献
- アジア歴史資料センター(公式)(防衛省防衛研究所)
- Ref.C05034350900『「第3814号 10.9.13 定数外消耗兵器供給の件 臨時海軍防備隊」』。
- 福田啓二 編『軍艦基本計画資料』今日の話題社、1989年。ISBN 4-87565-207-0。
- 雑誌「丸」編集部 編『写真 日本の軍艦 第14巻 小艦艇II』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0464-4。
- 播磨造船所50年史編纂室 編『播磨造船所50年史』播磨造船所、1960年。




