ケヴィン・リンチ(Kevin Lynch, 1918年 - 1984年)はアメリカ合衆国の都市計画家、建築家、都市研究者。主著『都市のイメージ』『廃棄の文化誌』などで知られる。

人物

シカゴ生まれ。イェール大学を卒業後、1937年から1939年までタリアセンでフランク・ロイド・ライトのもとで働いた。その後、マサチューセッツ工科大学 (MIT) で学位を取得。1948年以降、マサチューセッツ工科大学の教壇に立ち、同校で都市計画と敷地計画の講座をもって多くの後進を育てた。都市は多くの人々に視覚的にイメージされやすいことが重要だという考え方から、都市の調査分析を行う。

1960年に刊行した『都市のイメージ(The Image of the City)』では、ボストン、ロサンゼルスなどで街頭を歩く一般人を対象に都市のイメージ調査に関するアンケート調査を行い、それをもとに都市をイメージする構成要素として、パス(道)エッジ(縁)ディストリクト(地域)ノード(結節点)ランドマーク(目印)の5つを挙げた。また、ボストン中心部を通る高架の高速道路が街を分断し、住民の空間認識を妨げていると論じた。日本でも『都市のイメージ』は丹下健三と富田玲子により訳され、現在も都市計画や建築に関わる人によく読まれている。

全米各地の再開発やニュータウン、公園建設などに関わった。著名な弟子にパタン・ランゲージのクリストファー・アレグザンダーらがいる。

主な訳書

  • 『都市のイメージ』 丹下健三・富田玲子訳、岩波書店 新装版2007年。ISBN 978-4000241380
  • 『廃棄の文化誌』 有岡孝・駒川義隆訳、工作舎、新装版2008年。ISBN 978-4875024095
  • 『時間の中の都市 内部の時間と外部の時間』 東京大学・大谷幸夫研究室訳、鹿島出版会、1974年。同・SD選書、2010年。ISBN 978-4306052543

関連項目

  • 都市計画
  • 行動地理学

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『廃棄の文化誌 新装版―ゴミと資源のあいだ』|感想・レビュー 読書メーター

ケヴィン・リンチ 訳:丹下健三、富田玲子『都市のイメージ 新装版』 plateau books

都市のイメージ / ケヴィン・リンチ (2ページ目) Togetter

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